子宮外妊娠のお話②

大昔の子宮外妊娠の体験談。
その①はこちら
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全く妊娠なんて想定していなかったところを子宮外妊娠と判明し、頼りの妹には帰られ、単身市民病院に乗り込んだ私。←ここから始める。

 

1歳半の息子を連れ、救急入り口に向かい入院手続きをして産婦人科病棟へ。
さっそく手術前の準備が始まりました。急な手術なのでスタッフもきっと集められたのでしょう、バタバタしていました。
丁度夕ご飯を作る前だったのでお腹に食べ物があまり入ってなくて、手術にはよかった。夫も来て息子も渡して一安心。

私は開腹手術は2回目で(虫垂炎の手術は小6でやった)他にも婦人科系で色々やっていたけど、やっぱり手術はコワイ。まず麻酔が嫌。嫌だからと言って麻酔なしでやるのはもっと嫌だけど(当然ですが)、「手術終わったら本当に目は覚めるのか???」とか思っちゃう。切った後は当たり前だけど痛いし。

ぐあ~~~~やだ~~~!!

 

とか思っていたら、また痛みがぶり返してきました。
看護婦さんが「痛みがひどくなる前に」と手術室に急いで連れていってくれました。聞くと麻酔は吸うヤツらしい。吸うのは初体験。
まだ3月末くらいの寒いときで、裸になってといわれて震えながら真っ裸で手術台に乗って、確か腰に注射したような?この辺は記憶があいまいですが、麻酔を吸入したらめちゃくちゃ苦しかった記憶はすごく残っています。そして意識がなくなった。

 

手術の後にちゃんと目が覚めたのはもう次の日の夕方とかだったような。そしてすぐまた寝ちゃった。

本当にハッキリ起きた、というのはもう一日後くらい。
思ったより全然痛くないな~というのが最初の感想です(チューブで麻酔入れられていた)。その日のうちに自力でトイレに行かされて点滴を引っ張って吐きそうになりながら行った。

 

執刀と担当の先生が来て色々説明してくれました。
やっぱり子宮外妊娠だったけど、その起きた場所は卵巣だったそうで、とても珍しいと言っていました。
(今調べると、子宮外妊娠の98%が卵管で起きると書いてあるサイトもあった。卵巣はそんな珍しいのか!!!初めて知った)
それで卵巣の一部を取ったらしいのですが、卵巣はそれでも機能するらしく、すごくラッキーだったそうです。
私って本当に悪運が強いタイプ・・・😥

という話をまだ麻酔がチューブで入れられている状態でぼーーーーっと聞いていました。
ああ、そうか、生きてた、よかった、助かった・・・って感じ。
今見ると傷は恥骨の上あたりに横に15センチくらいです。もう大分昔の話だし、既に痛みでのたうち回っていた状態だったので切ったと思いますが、今は医療が進んで腹腔鏡手術で済む場合も多いみたいですね。

 

 

傷は当然痛みましたが、少しづつ良くなり、最初はナースステーションの側の部屋だったのが、大部屋に移されました。
最初は「無事でよかった」しかありませんでしたが、体が少しずつ良くなって余裕が出てくると、今度は「なんでこんなことになったんだ・・・」という方に頭が回るようになります。

お金と時間をかけて不妊治療をして、どうしてこんな目に、どうしてだめだったの・・・とか思うとなんとも悲しくて情けなくてメンタルが落ちてきて・・・
体が元気になるにつれてしょっちゅう落ち込んでメソメソするようになりました。

ホルモンの問題もあるだろうけど、入院しているので色々考える時間はあるし、何しろその大部屋が、切迫流産で入院している妊婦さんが2人くらいいたんです。向かいはお産の人の部屋だし、新生児室はすぐ側だし。
市民病院のようなところなのでしょうがないのでしょうが、目の毒すぎる・・・

 

最初は「退院までそんなにかからない」と思っていましたが、もうこの部屋嫌だ、我慢できない!となって、夫に「個室に入りたい」と言ったらまあ心情はあまり理解していないようだけどOKをくれたので、回ってきた看護婦さんに「個室に行きたい」と伝えたら、「お金もけっこうかかるし、ここでもいいんじゃない?」みたいに言われて、とうとう「うわ~~~~😭😭😭」って大泣きしてしまったんです。

周りは相当ビックリしたようで。
担当の若い女性の先生が慌てて飛んできました。そして私の予後がどんなにいいか力説してくれました。

そうじゃない、そうじゃない。

先生たちは私はこんな運が良くて問題なかったのに、何を泣いているのかイマイチわからなかったようです。

 

でも「爆発」したことで、私はかなりスッキリしちゃったようで。本当は人前で大泣きしたくはなかったですが(鳳閣星的には特に!!)。

そのあと執刀医の先生も来て同じような話をしてくれましたが、「そうじゃない」とはやはり思いましたが、同時に「しょうがないな。まあ、気持ちはありがたいよな」とも思いました。
やっぱりね~、悲しいときは初動が大切ですね。なるべく最初にとことん悲しんで落ち込んで泣きまくることが一番!!

 

入院は10日くらいだったか。
気持ちは大分おちついて、もう治療はいら~~ん!!という方向に行ってました。一人は幸運にも授かってまだ小さいのだか、今が、時間がもったいないって思ったんですよ。
手術前に帰ってしまった妹は、見舞いには来ないけど退院時は頼んだらきてくれました。

子宮外妊娠自体はしょっちゅう起きるものではないですが、やはり「ある」こと。
特に妊娠の検査で陽性が出ても、それが正常妊娠かどうかはちゃんと見ないと分からない。市販の検査で陽性が出たら、ちゃんと医療機関で見てもらってほしい。胞状奇胎だったという知人もいます。

 

Twitterにも書きましたが、そのあとすぐ妊娠しました。2か月後ぐらいか。それが次男です。
次男の母子手帳には最終月経日の記載がありません。
キツネにつままれるような気持ちというのはこういう時のようなことをいうんですね。

 

何がよくて何が悪いかっていうのはわからないな~ってその時は本気で思いました。禍福は糾える縄の如し。
が、20年経つと「良い」も「悪い」もなかったのかもしれんという気がします。

以上です。
昔話にお付き合いくださりありがとうございました。

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