易の六十四卦のなかで「四難卦」と呼ばれている卦があります。その名の通り困難や苦労がある時を表す卦です。
水雷屯(すいらいちゅん) 始めの難
水山蹇(すいざんけん) 途中の難
沢水困(たくすいこん) 終わりの難
坎為水(かんいすい) 前にも後ろにも進めない
他にも色々困難な時を示す卦はありますが、水は苦しみや困難を示すファクターなのでこの4つはどれも水が入っている形となっています。
易のメッセージはどれも必要なのが出てくるわけですし、占的や占われる人の立場によっていい悪いは変わってきますが、それでもこういうのが鑑定ででるとお客様に伝える時はどうしたらいいアドバイスにつなげられるようにできるか心の中で冷や汗が出る時があります。
もちろんそんな悪い意味を示すものばかりでなく、これは私が易を教えている生徒さんから伺ったのですが、あるマンガを電子書籍で買う時にまとめて全巻(十数巻)を買うべきか悩んで易を立てたそうです。1巻ずつではなくまとめて買うと割引があるんですね。その時出たのが水山蹇だったそうです。
水山蹇は冬山で足がこごえて動かなくなる、途中で止まってしまうという象意の卦ですがその方は全巻えぃっと買ったそうです。最初は面白くてどんどん読みすすめていたのが途中で展開が変わってきて読むのをやめてしまったそう。
これが水山蹇かーー!と思いましたが途中までは面白かったので悔いはないそうです(笑)
ただ本当にどうしようもないときに出る時もあります。そういう時はどんなにその卦の真意を伝える言葉を尽くしても「大変なのは変わらない」「そんなのは慰めにならない」と思うかもしれません。
私が冬至の日に立てた今年の卦は「坎為水」でした。どんなものかな、と思っていましたが「これが第一波なの?」みたいなこともあり、そういう時はわかっていてもはぁーーーってため息が出ます。精神修業が欠けてます。
四難卦のときのアドバイスは基本「時期を待つ」ことです。「禍福はあざなえる縄の如し」という言葉があります。ご存じだと思いますが良いことと悪いことはより合わせた縄のように交互にやってくるという意味です。幸運の裏側は不運だったりするので、何かの拍子でオセロのようにくるっと裏返るようなことがありますし、その通りのことが起こったこともあります。
今その時に悪く思うことが後になって違う意味を帯びてくるということはよくあること。状況は縄の目のように表に出たり裏に出たりするのであせらず頭を低くしてやり過ごし、今しか学べないことを吸収しろ、ということがこういう卦の出る時のアドバイスだと思います。
(そしてこれは今自分に必死に唱えているところ・・・言うは易しなのですが・・・)
易は仕組みを知ると大変面白いです。2月からまた講座も行いますのでご興味のある方はぜひご検討ください。
(あんこ)
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
易占は「易経」というテキスト(軽い表現だな・・・)をもとに長い間様々な人たちが解釈を重ねてきた読みでするものですが、良く書いてある交辞はこれでもかというくらいめでたく書いてあるのに、悪く書いてあるのはこれでもかというくらいガッカリに書いてあります。
なのでどうしても「いい悪い」というものを意識しやすいものですが、だからこそそのシチュエーションに応じた読みをしないといけないな~と思います。
銭天牛先生のお書きになった「すぐに役立つ 銭流 易経」という本をよく読んでいるのですが、その中に「凶の卦が出た時どうしたらいいのか」という話があります。そこには「率直に言うとどうしようもない」とあります。
「知っていたって、どうにもならないことは、占いだけではなく、人生にはいくらでもある。」ともあって、本当にそうだような~~と思うのです。いつでも物事(特に不幸)は斜め上から降ってきますよね(-_-;)
でも易は自分との交信(?)ツールとしては本当にいいと思います。タロットとかも同様ですがとっても役に立ちます。
講座に来てくださった方にはある程度のしくみをしってもらって、あとは本を見ながらでも全然いい、易が「いい相談相手」になるくらいまでになってもらえたら、と考えています(もちろんプロ希望の方はその限りでは無し)。あとは教養としての楽しみも大きいので長く付き合える趣味の一つになるのではないでしょうか。