【八卦の話】②坤

冬は易の季節ですね!
と私が勝手に決めたので八卦の話の続きを書かねば。

前回はこちら。乾です。

八卦は名前の通り八種類あるのですが、今回はその中の「坤」の話。
「こん」と読みます。「こん」とPC等で打ってもなかなかこの漢字は出てきませんが、「ひつじさる」と入れると出ます。

「坤」は自然界にたとえると「地」です。
田んぼや畑などの農地のようにどこまでも広くて平らで、静かでのんびりとしたイメージです。

大地は生命を育み、育て、命が尽きるとそれをまた無に還すというサイクルを繰り返しています。
地は大変現実的なのです。

易は陽と陰の二元論をもとにあらわされますが、「坤」はこんな風になります。

3つの「陰」で構成されているのが坤。
どこまでも従順で、自己主張はせずすべてを受け入れます。
陽がONで陰がOFFと考えるならすべてがOFF。からっぽなのです。
「乾」と比較すると「坤」はわかりやすいかもしれません。
ファミリーに例えると「母親」
お母さんはまじめで文句も言わず働いて、すべてを黙って受け入れる存在です。

坤は現実的に手を動かす、働くという意味合いもあります。
乾は「権威者」でしたが坤は「使役者」です。

こちら現代版「坤」

こういう話をすると「女性差別だ!」的な感想も湧くことがあるんですが、易はかなーーり昔の考えを元にできています。
紀元前1100年くらいに易の元の「八卦」が伏羲(ふっき)によってつくられて、それが周の時代に「易経」という形になったという話なので易のことを「周易」とも呼びます。
人権とか男女差別とか別の世界の認識なので、これはこういうもんだ!!ということでお願いします。
元は大昔のものを、いかに現代的に実際に即して読むかというのも「易」の大事なところでしょう。

「坤」は「すべておまかせ」ってコマンドみたいな八卦なのです。
とりあえずそこだけでもご理解のほどよろしくお願いいたします。

まあ実際に「ぜんぶおまかせ」というのはやってみると結構つらいです。
すべて受け入れる、って簡単そうで全然簡単じゃないですね。

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